令和6年 司法試験 憲法 再現答案

司法試験再現答案
OSHIN
OSHIN

答案構成 25分程度 7枚程度 予想評価B 作成日時2024.7.17 10:30 です。



【反省点】
・全体的にマジで感覚で書いて、自信がない
・まさかの意見書形式なのに、反論とか使ってるので時間ロス。
・免許制と個々の免許要件を分けて論じるべきか、シンプルにわかめ。
・規制①と②で審査基準が同じになったから多分死んだ
・審査基準の定立過程で司法事実を一般化せずに使用してしまったのでかなりやばい。
・やっぱ目的の捉え方がよくわかってない。中間目的とか究極目的とか適当に並べた。
・内容規制なのか内容中立規制なのか、どっちにしたか覚えてない。審査基準落とした以上は中立規制で書いたと思いたい。
・規制①は殆ど各号の必要性審査メインかな?ってもうそこに全振りしてあてはめたけど、違ってたら大幅減点だし、仮に減点がなくとも殆どⅩ甲の会話の議論に着色した内容しか書いてないからマジで自信がない。もしや手段適合性の話??
・規制②は手段適合性審査をすっ飛ばして確か必要性審査しかしてない。。。


第1 規制①

1.以下の通り、規制①における免許制及び個々の免許要件は、犬猫の販売業者の「職業選択の自由」(憲法(以下略)22条1項)に反さず、合憲であると解する。同条項は、狭義の職業選択の自由のみならず、その職業遂行(職業の開始・継続・廃止)まで保障しないと意味がないことから、遂行の自由まで保障している。本件では、犬猫の販売業を営む自由が職業選択ないしは遂行の自由として保障される。

2.規制①による免許制及び個々の要件が課されることで、本来なら自由に犬猫の販売業を営業できないことになるから、上記自由が制約されているといえる。

3.

⑴職業選択の自由に対する憲法適合性審査は、制約の目的と制約の態様を考慮して、それと対をなす立法裁量の広狭を明らかにすることで決するものと解する。

この点、反論として、薬事法大法廷判決に従い、規制目的を積極目的と消極目的に分けて考える目的二分論によって審査基準の厳格度を決すべきとの意見も考えられる。しかし、二分論によって単純に二分できない第三の目的が問題となる場合にはこれを用いることはできない。本件法案の規制目的は、犬猫の販売業の経営安定(積極目的)でも、犬猫由来の感染症等による健康被害の防止(消極目的)いずれでもなく、「人と動物の共生する社会の実現」という動物愛護管理法と共通する第三の目的であるから、上記二分論にはなじまないから、上記規範で判断すべきである。

⑵規制目的は、本件法案第1の目的規定によれば、「人と動物の共生する社会の実現」を究極目的として、「虐待及び遺棄の防止」「犬猫の適正な取り扱い」等によって国民観に動物愛護気風を招来し、生命尊重当の情操を創出することを中間目的としていると解される。そうすると、動物に対する虐待及び遺棄の防止等によって国民間に動物愛護気風を招来するか否かという点については、都市政策のような立法府の専門技術的判断が広汎に要求されるようなものではなく、ある程度裁判所による判断に馴染むべきものといえる。よって、立法府の裁量は狭いものと解する。

⑶規制態様については、規制対象が犬猫に限られ、犬猫販売業者は仮に免許を受けられずとも、それ以外の動物販売によって営業を続けることが可能であるから、単なる職業遂行の自由に対する制約であるとして、制約態様は重大ではないといえる。

この点、反論として、上記判例に従い、免許制は許可制に準じるものとして、そもそも規制態様が強度であって、さらに形式的には狭義の職業選択の自由の制約にあたらずとも実質的にはそれに当たる場合があり、本件はそれにあたるとの意見が考えられる。もっとも、免許制は、許可制のように一般的に禁止される行為を個別的に許可するのとは違って、要件を満たしさえすれば免許が付与される機械的なものであるから、許可制に準じるものとは解せない。また、統計資料によれば、犬猫以外の多種多様なペットを飼う人が増えている傾向があり、その割合も50%近くになっている一方で、犬猫は30%前後にとどまっているから、実質的にみて販売業者の狭義の職業選択の自由まで制約されているとは解し難い。よって、制約態様は軽微なものである。

⑷そうすると、立法裁量の比較的狭い事項について軽微な制約態様がなされているにすぎないから、厳格な審査基準は妥当せず、規制①の違憲審査基準は、①目的が重要であって②手段が目的との関係で実質的関連性(必要性もみる)を有する場合に限り合憲であると解する。

4.⑴立法目的は、上記の通り、「人と動物の共生する社会の実現」を究極目的として、国民観に動物愛護気風を招来し、生命尊重当の情操を創出することを中間目的としていると解される。そうすると、本件法案の立法事実として、犬猫の大量廃棄や興味喪失による遺棄が社会問題となっていたこと、殺処分への批判が大きくなっていたことに照らせば、上記目的はそれら問題点を排斥するうえで重要であるといえる(①)

⑵手段適合性及び必要性について

ア 第1号

仮に販売場ごとに犬猫の体長、頭数に応じた犬猫飼養施設を設けなければ、販売業者は自由に犬猫を仕入れて自由に管理できることとなる。そうすると、業者によってはずさんな飼育環境で犬猫を管理販売する可能性が考えられ、これを1号の措置によって防止することは、上記中間目的を促進する効果があるから、手段適合性がある。 この点、反論として、現行の基準より要件を厳格化する必要性はないとの意見も考えられる。もっとも、諸外国の制度や専門家の意見によって国際的に認められている基準であって、これより厳格度を下げてしまうと、本件法案と同程度以上に立法目的を達成することができないから、必要性は認められる。

イ 第2号

都道府県ごとの人口に対する犬猫の飼育頭数や取引量を考慮して需給均衡を定めることは、過剰供給による売れ残りを防止して、犬猫の販売量を適切に分配することを可能とするものであるから、立法目的を促進するといえる。

この点、反論として、売れ残り自体を規制するのではなく、売れ残った犬猫を適切に管理しないことを規制すべきであって、必要性を欠くとの意見も考えられる。もっとも、日本では、生後2,3か月の子犬や子猫の需要が高く、生後半年を過ぎると値引きしても売れなくなるといわれているから、いくら適切に管理したとしても、上記段階に至った場合には売れ残りが発生することが必至となる。そうするとやはり需給調整の仕組みによって、販売量それ自体を規制することでなければ、立法目的を同程度に達成することはできないから、必要性は認められる。

ウ 第3号

犬猫シェルターの収容能力の見地から引取拒否を行うことで、販売業者はそれを見越して犬猫の仕入れ・管理を行うようになり、過剰な販売を避けるようになるから、立法目的を促進するといえる。この点、反論として、飼い主によるシェルターへの持ち込みが増加しても直接的な責任は飼い主にあって販売業者に責任はないから、必要性を欠くとの意見も考えられる。しかし、売り残りの根本的な原因となるのは犬猫販売業者の販売である。また、通常の小売業者と異なり、犬猫は人間に幸福や安心をもたらす人間にも準じる生命を扱う仕事であって、販売業者は単に売れればよいだけではなく、当該犬猫が適切に飼い主の下で飼育されるようにすることも含めて販売すべきであって、これを飼い主だけのせいにして責任を逃れることは許されないというべきである。さらに、多くの都道府県からシェルターの収容能力を超えないようにする要請がされていることもあわせ考慮すれば、上記措置に必要性が認められる。

⑶以上のように、第2各号は手段と目的が実質的関連性を有する(②)。そして、各号要件を内容とする免許制についても、同様に①②を満たすといえる。

5.以上より、規制①は憲法22条1項に反さず合憲である。

第2 規制②

1.規制②のうち、広告においてイラスト、写真、動画を用いることを禁止することは、犬猫販売業者の「表現の自由」(21条1項)を制約し、違憲であると解する。

確かに、伝統的な「表現の自由」は、思想・意見の外部的表明を意味し、単なる事実や営利的表現はこれに含まれないとも思えるが、編集の過程で編集者の思想・意見が含まれる以上は、これに含まれると解する。

2.規制②は、上記表現を禁止するものであるから、「表現の自由」を制約している。

3.

⑴確かに、公告は、消費者たる国民が当該商品を購入するか否かの判断の資料を提供し、国民の知る自由に奉仕するという重要な機能を有するから、重要な権利であるとも思える。しかし、表現の自由が優越的権利たりうるのは、他の人権にも妥当する自己実現の価値があるからではなく、政治的意見表明を通して国政に関与するという自己実現の価値があるからであって、営利的表現の自由はこれを有しないから、相対的に重要性が低いといえる。

規制態様については、反論として、犬猫販売広告のイラスト・写真・動画が有する伝達効果の弊害に着目した内容規制であるとして強度な規制であるとの意見も考えられる。もっとも、規制②は専ら広告の内容を考慮せず、手段を一律に規制するものとして内容中立規制であるから、規制態様は弱い。また、表現の自由には萎縮効果除去の要請が強く働くのに対して、営利的表現の自由は客観的な規制になじむものであって、公権力による恣意的な規制のおそれが低いから言論市場を歪めるおそれも低いから、この点でも規制態様が弱い。

⑵そこで、重要性の低い権利が弱い規制によって制約されていることから、厳格審査は妥当せず、規制②の審査基準は、第1と同様に①目的が重要で②手段が実質的関連性を有していなければ違憲となるものと解する。

4.

⑴立法目的は、犬猫販売広告においてイラスト、写真、動画を用いることで、購買意欲を刺激し、安直な購入に繋がっているとの理由からこれを禁止するものであるが、これは単にⅩの観念上の想定であって、立法事実による根拠に欠けるものであるから、その重要性があるとはいえない。

⑵仮に目的が重要であるとしても、以下の通り必要性を欠く。SNSが発展してその社会的重要性が著しい現代社会においては、販売業者が自己の商品をSNS広告を用いて集客をすることは必須の事業活動であるといえる。そうすると、中でも特に消費者の購買イメージに資する動画広告については、店に行かずとも、犬猫の特徴、性質などを詳細に届けることができ、むしろそれを閲覧したうえで買うか買わないかを調べる機会を与える場合もあるというべきである。よって、仮に規制②のような手段をとるとしても、SNS広告閲覧者で犬猫の購入をする者に対しては、必ず店頭確認を義務付けたり、飼い主が適切な養育環境を有しているか否かをチェックする体制を義務付けるなどというより制限的でない他の手段があるから、これを一切の条件を付することなく禁止することは必要性を欠くといえる。

以上より、規制②は手段の実質的関連性を有しないから、違憲である。

以上

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