
構成15分程度 8枚 予想評価Ⅽ~B 作成日時2024.7.17 12:30です。
【反省点】
・強盗致傷罪→傷人やろ。あと、設問1のあてはめ長すぎて設問2死んだ。
・シンプルに本件財布の「財物」のあてはめ忘れた気がする。
・主観的要件まで書いたのはいいが、故意の対象を「強取」にしているので多分×。
・確か不能犯を2項強盗と凍結ATMの両方で検討したけど、多分ATMの方だけか。
・設問2がガチで時間足りなくて爆死。共同正犯については、共謀共同でなくて実行共同で書いて、途中で「あれ、これ甲は暴行に関与してないじゃん、実行してないやん」って気づいたけど、時既に遅しだったから実行共同でゴリ押した。しかも幇助は2行で当てはめて終わりとかいうクソ答案で時間切れw
・設問2⑵の時点で、そもそも答案残枚数1枚で、書きすぎたことを認識すると同時に、残り15分程度で、共同正犯と幇助犯は無理だろモードに突入。
設問1
第1 甲がAから本件細部を強取した行為につき強盗致傷罪(刑法(以下略)236条1項、240条前段)の成否
1.「暴行又は脅迫」(236条1項)とは、相手方の犯行を客観的にみて抑圧するに足る程度のものをいう。そして、これは財物奪取意思の下で行われる必要があるところ、仮に暴行脅迫後にそれを生じた場合であっても、上記反抗抑圧状態を維持・継続するに足る程度の暴行脅迫が再度なされれば、これを満たす。
⑴本件では、詐欺グループのリーダーである甲が、3歳年下のAに対して、夜間8時の人がいないB公園において、手拳で人体の枢要部たる頭部を一方的に殴るという暴行を加えている。確かに、手拳殴打は、ナイフなどの凶器を用いた暴行に比べて人体への危険の程度が高いものではないが、成人男性が倒れる程の力で「殺されたいのか」と言いながら、転倒したAの腹部を複数回足蹴りにする行為もあることを考えれば、内臓破裂の危険も十分考えられ、現にAは肋骨骨折等の負傷を負っているから、客観的にみてAは反抗抑圧されるといえる(以下、「第一暴行」)。
⑵上記第一暴行の時点では、財物奪取意思がないが、その後、既に抵抗する気力を失ったAに対して現金6万円の入った本件財布が欲しくなり、「持っているもの見せろ」「この財布はもらっておくよ」などと申し向けた行為の時点では、本件財布を奪取する意図のもとでなされている。そうすると、第一暴行によって倒れたままの状態で、反抗抑圧されたAとしては、抵抗する気力がなく何も答えられなかった状況下にいたことを合わせ考慮すれば、上記反抗抑圧状態を維持・継続するに足りる「脅迫」がなされたといえる。よって、「暴行又は脅迫」を満たす。
2.「強取」とは、相手方の意思に反して、財物の占有を自己または第三者の支配下に移転することをいい、これは財物奪取意思、暴行脅迫、強取が連関を成す必要がある。そして、強盗罪が奪取罪であることに照らし、被害者による処分行為は不要である。本件では、上記の通り反抗抑圧状態にあったAは、本件財布を甲に渡したくないと思いながら、ポケットから本件財布を取り出してAの手元においている。この点、Aから甲に手渡しされてはいないが、処分行為は不要であるから、Aの意思に反して、甲の占有下に本件財布が移転したものとして「強取」したといえる。
3.本件では、「強取」につき、甲が認識・認容しているから、故意(38条1項本文)および不法領得の意思もある。
4.そうすると、基本犯たる強盗罪の構成要件を充足し、Aに肋骨骨折という「傷」(240条前段)害を負わせたことに、強盗致傷罪が成立する。なお、240条は故意ある場合を排除する趣旨ではないから、故意があることにつき問題はない。
第2 乙が甲の指示のもとでAの見張りをした行為についき、監禁罪(220条1項)の共同正犯(60条)の成否。
1.乙の罪責
⑴「監禁」とは、相手方の場所的自由を奪い、一定の場所からの脱出を著しく困難又は不可能にすることをいう。本件では、30分にわたって甲から上記暴行脅迫を受けたAがその配下である乙の見張りによって甲がその場にいるのと同様に、脱出が困難となる。また、夜間のB公園で乙A以外に人がおらず、助けを求めることもできなかった状況下では、怯えた状態のAが乙の監視下を抜けることは不可能であったといえる。よって、「監禁」を満たす。
⑵よって、乙には監禁罪が成立し、後述の通り甲と共同正犯となる。
2.甲の罪責
⑴共謀共同正犯は、60条の文言及び、自手実行がなくとも結果に因果性を及ぼすことは可能であるから肯定的に解すべきである。その要件は、①共謀②①に基づく実行③正犯性(主観面と客観面の相関により判断)である。
⑵甲が乙に「小遣いをやるから、Aを見張っておけ」と言ったことに対して、乙が「わかりました」と答えた時点で、監禁罪を共同遂行する旨の合意が成立した(①)。乙は①に基づいてAを監禁した(②)。甲は、専ら自己がAの追求をするという目的のためにAの見張りを乙に指示して、これを首謀した者であり、役割が重要である。また、乙に3万円を渡して実行させていることからもその犯意を誘発するという役割をなしている(③)。
⑶以上より、甲には監禁罪の共謀共同正犯が成立する。
第3 乙が本件財布からキャッシュカードを抜きだした行為に窃盗罪(235条)及び乙を脅迫して暗証番号を聞き出した行為につき2項強盗罪(236条2項)の成否
1.
⑴乙は本件財布から本件カードという「他人の財物」を、Aの意思に反して、「窃取」しているから、窃盗罪が成立する。
⑵この点、キャッシュカードは財物性を欠くとも思われるが、所有権の対象となるうえに、暗証番号さえ入力すればだれでもATMから預金を引き出すことができるという財産的価値を有するから、財物性を有する。また、本件財布は既に甲の占有に移っているとして、Aの占有が否定されるように思われるも、乙は本件財布がAの者だと理解するとともに、Aは未だ本件財布に場所的に近接する位置にあり、占有の意思があって支配回復可能性もあるから、その占有はAにあるといえるからこれらの点は問題とならない。
2.
⑴「財産上不法の利益」(同条項)とは、1項との均衡及び利益移転の明確性の観点から、財物の移転と同視できるような直接性・具体性を有するものであることを要する。また、本罪が移転罪であることにてらし、被害者の利益が強取者のもとに移転するという利益の移転性があることも要する。
⑵確かに、暗証番号はそれ自体としては、他なる番号であって、何らの財産的価値を有しない。もっとも、キャッシュカードと暗証番号をセットで入手することができれば、ATMにおいて預金を下ろすことができる地位を取得したのと同視できる。また、ATMでの預金引き出しは、何らの本人確認をすることなく、その二点を有する者であればだれでもなしうるという事情も考慮すれば、財産移転と同視する直接的・具体的な財産上の利益の移転があったといえる。
⑶確かに、暗証番号を教えただけでは、預金の支配能力がAから甲に移転するわけではないし、その価値が変わるものでもない。もっとも、上記2点を甲が得ることができれば、Aが自らの預金支配力を弱めて、その支配力が甲に移転するという意味において、財産上の利益の移転性が認められるといえる。
⑷以上より、「財産上不法の利益」を得たといえる。
3.「暴行又は脅迫」は、前述の規範によって検討するに、本件では、乙はバタフライナイフという包丁以上に殺傷能力の高い凶器を用いて人体の枢要部たる眼前にそれを示しながら、「死にたくなければ…言え」という脅迫的言辞を申し向けている。そうすると、客観的にみて、拒否すれば殺されると思うことが通常であるから、反抗抑圧がされたとして、「脅迫」を満たす。
4.もっとも、暗証番号が異なるものであって、結果発生の危険性がないから「実行の着手」(43条本文)がなく、不能犯となないか。
⑴不能犯と未遂犯の区別は、結果発生の危険性の有無によって判断すべきである。具体的には、行為時における一般人を基準として、行為者が特に認識していた事情及び一般人が認識し得た事情を基礎として判断する。
⑵本件では、乙が本当の暗証番号であると認識し、一般人も、それが別のカードの番号であると認識することは不可能であった以上は、結果発生の現実的危険性があるから、不能犯は成立しないから、「実行の着手」が認められる。
5.そして、財物奪取意思の下、当該暗証番号を「強取」している。
6.以上より、乙には、2項強盗罪が成立する。
第4 乙がATMから預金を引き出そうとした行為につき、窃盗罪の成否
1.
⑴預金は、銀行の実力的支配下にあるものとして「他人の財物」にあたり、これをその意思に反して「窃取」しようとした時点で、「実行に着手」したとも思える。もっとも、ATMが取引停止状態にあったから、不能犯が成立しないか、前述の規範に従って検討する。
⑵本件では、乙はATM凍結に気づかず続けて異なる暗証番号を入力しているから、異なる暗証番号であるとの認識がなく、また、一般人としても凍結に気づくことはできなかったといえるから、預金窃取の現実的危険性があった。
⑶よって、窃盗の「実行」に「着手」したといえる。
⑷もっとも、預金を窃取するに至らなかったから、窃盗未遂罪(243条、235条)が成立するにとどまる。
第5 罪数
1.甲には、1項強盗罪と監禁罪の共同正犯が成立し、これらは併合罪(45条前段)となる。
2.乙には、①監禁罪の共同正犯②本件カードの窃盗罪③2項強盗罪④窃盗罪が成立し、②は③に吸収され、①③④は併合罪となる。
設問2⑴
1.丙による「暴行」は、Ⅽの身体に対する不法な有形力の行使として、暴行罪(208条)の構成要件に該当する。
2.正当防衛(36条1項)の成立要件は、①「急迫不正の侵害」②防衛の意思③防衛行為の相当性である。この点、複数の侵害行為がある場合には、行為の客観面と主観面に照らしてそれらに一体性が認められれば、一体のものとして上記正当防衛の要件該当性を検討するべきと解する。
⑴行為の一体性は、㋐時間的場所的近接性②侵害行為の継続性③防衛の意思によって判断する。本件では、丙がⅭに1回目殴打(以下、「①殴打」)をしてから2回目殴打(以下、「②殴打」)の時点でいまだⅭの胸倉をつかみ、さらに殴ろうとしている状況にあったことから、時間的場所的近接性がある(㋐)。また、①殴打後に、Ⅽはひるむことなくなおも丙に殴りかかっていることから、②殴打の時点で侵害行為が継続している(㋑)。さらに、丙は①殴打と②殴打それぞれにおいて、専ら自己の身を守るために殴打行為に及んでいる(㋒)。よって、①殴打と②殴打は行為の一体性があるから、一体として正当防衛の要件を検討する。
⑵ 「急迫不正の侵害」とは、法益侵害の危険性が現在又は差し迫っていることをいい、本件では、Ⅽが一方的に顔面を数回殴られて、その危険が継続している(①)。また、上記の通り、丙はⅭによる殴打行為を認識してこれに対処するという意図及び、一貫して自己の身を守るという自己防衛の意思を有している(②)。さらに、Ⅽによる手拳殴打に対して、丙も同手法で対抗しており、両者が年齢に大差なく、男性同士であることから、実質的に武器対等が図られているといえるから、最小限度の防衛行為として防衛行為の相当性もある(③)。なお、②殴打時点では、丁の呼びかけによって丙が興奮したことで殴打に及んでいるが、専ら積極的加害意思によってなされているわけでなく、防衛の意思が食い尽くされていないから、この点は問題とならない。
3.以上より、丙には正当防衛が成立する。
設問2⑵
1.甲の罪責
⑴実行共同正犯の成立要件は、①共謀②①に基づき「2人以上共同して犯罪を実行」(60条)することである。本件では、丙が「俺がⅭを押さえるから、Ⅽを殴れ」と言い、丙がⅭに対して自分の身を守るためにはⅭを殴るしかないと思った時点で、Ⅽに暴行することにつき現場共謀が成立した①。それに基づき、丙はその後の各殴打に及んだといえる(②)。よって、甲には暴行罪の共同正犯が成立する。
⑵
ア 共犯者間の正当防衛の成立要件は、原則として全員を基準として判断すべきであるが、違法性の本質が、社会的倫理規範に反する法益侵害の危険及びその惹起にあることから、行為者の一部に行為無価値的な違法要素がある場合には連帯せずに、個別的に違法性を判断すべきであると解する。
イ 本件では、甲はもともとⅭから殴られることを予期したうえで、専ら積極的加害意思の下で、丙が自己に変わってⅭに対して暴行を加えることを期待してⅭ方に出向いている。そうすると、かかる行為無価値的な違法要素は、丙甲間で連帯せず、正当防衛の成立は格別に判断するべきである。
ウ よって、甲には正当防衛の成立余地がないから、暴行罪の共同正犯が成立する。
2.丁の罪責
丁は、丙がその場から逃走するのを手助けしようと考えて、「頑張れ」と言って丙を応援し、結果として丙は興奮しているから、丙が暴行に及ぶことを心理的に促進したとして、208条の「幇助」(62条1項)が成立する。
以上

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