【7割死守】司法試験短答 勉強法 ~客観的データから相場を把握せよ~

短答対策

お疲れ様です。

最近必修科目の単位を落として卒業留年するんじゃねぇかとおびえている、おしんです。

本日は、合格に不可欠なわりには、最終合格にはそこまで寄与しないという微妙なポジションをとる短答の勉強法について僕なりに解説していこうと思います。勉強法を誤ると論文答案が採点されずにシュレッダーにかけられるというえげつない試験でもあるので、是非この記事を参考に、シュレッダー回避していただけたらと思います。

第一に重要なのは、敵を知ること

短答について浅い知識を入れていると、変に怖がったり、なめたりすることになります。

よくあるのは、短答に受かれば8割受かるとか、短答で合格ライン最低点さえ取れればよいといったレベルで把握されている方ですね。

イメージや噂程度の情報把握では甘いですね、死亡フラグ確定です。客観的なデータから把握しましょう。

短答式試験の成績が総合成績評価に占める割合はご存知でしょうか。これ、実は把握されていない方が多いんですが法務省のHPにしっかり記載されてます。

●算式=短答得点+(論文得点×1.75)

要するに、短答は得点がそのまま総合得点に、論文は得点が1.75倍されて総合得点に算定されるということです。

※厳密にいうと、論文得点は素点がそのまま1.75倍されるのではなく、考査委員毎の採点格差を防止するために、採点格差調整点という偏差値として把握されます。

この点、ここ数年の総合評価最低点が大体750~780程度で推移していることを考えると、短答で約7割(120点と仮定)取れた場合には、論文で最低限必要な点数は約370点となります。

∵770-120÷1.75=370点

論文約370点の得点率は約46.4%ですので、短答で約7割とれれば、論文で少なくとも各科目46点を取ると合格できるということです。さらには、一部の科目で極端に点の良い科目があった場合、各科目の最低得点率はそれより低くても合格可能であるということです。

このデータを受けて、人によっては「その程度か」逆に「意外と大きい」といった捉え方が生じると思います。

人それぞれの評価は重要ではありません。ここ最重要なのは、この記事を読んでいるあなたが、短答で①8割、②平均(7割)、③合格最低点、どのレベル層に入るかを考え、それに見合った勉強量を確保することです。論文に自身がある方は③でも十分合格推定が働くでしょうし、逆に論文に自身がない方は①の戦法をとるといったようなイメージです。

とはいえ、「あくまで勝負は論文で決まる」ことを意識する。

これも僕の主観的評価ではありません。客観的なデータから基礎づけられる事実です。

仮に、合格最低点770点として、①短答150点(得点率約85%)というクソ跳ねた人、②短答120点(得点率約68%)という平均的な人、③短答93点(得点率約53%)という首の皮一枚の人たちで、論文最低得点を比較してみましょう。

770-150÷1.75≒354点
770-120÷1.75≒371点
770-93÷1.75≒386点

これだけみると、短答だけで①と③で32点程の差がついていることに驚くかもしれません。しかし、注意すべきは、あくまで合計得点同士の比較に過ぎないということです。

各科目でどの程度差が生じているかに焦点を当ててみましょう。

354点÷8≒44点
371点÷8=46点
386点÷8≒48点

おわかりいただけただろうか。

短答で上位100位以内に入るようなクソ化け物だろうが、大コケして小指で崖にしがみつくマダオだろうが、科目毎にみれば4点の差しかつきません。科目毎の4点など、一つの論点落とし、論証ミス、当てはめ不足等で余裕で覆ります。

「結局は論文」という格言を表層的に理解している人と、上記客観的データをふまえて本質的に理解している人では、短答に対する向き合い方が確実に変わってくると思います。

この記事をご覧になっている方は本気で合格を目指されている方でしょうから、「結局は論文」という言葉の裏側にある、本質的なデータを理解しておきましょう。

上記をふまえ、「少なくとも7割死守」の僕なりの勉強法を伝授する

以上は、データを踏まえた短答への向き合い方でした。

以下は、私が実際に短答で約7割(121点)をとることができた勉強法を紹介します。

これが絶対というわけではなく、色んな方の意見を参考に、自分にとって知識が定着しやすい勉強法を早い段階で見つけることが重要です。

使った参考書

・短答過去問パーフェクト(以下、パーフェクト)

・肢別本

・デイリー六法(年度ごとに必ず買い替える)

時期別の使い方

受験全期間を通して、短答の勉強の際は必ず六法を開いてポイントをメモするようにしていました。

これは、条文素読による条文理解のみならず、六法に知識を集約して1元化されずに散らばることを防止するためです。参考書ごとにメモや◎×をつけていても、それが脳内で整理されていないと、単なる自己満とかわらないので、何かしらに一元化する作業が必要だと考えています。

ロースクール入学後~:予備受験のため、パーフェクト

少なくとも、予備前に主要三科目についてはざっくり3周はしたと思います。

ただ、予備は135点で短答落ちというクソカスなので、この段階では正確な知識が定着していたとはいえません。

予備後~:パーフェクト

肢別本にはまだ出会っておらず、ロースクールの定期試験に全振りしていたので、予備後はパーフェクトすら開きませんでした。しかし、今思えば予備が短答落ちであっても、あの時築いた基礎があったから対策が間に合ったともいえます。

司法半年前~:肢別本

民法、刑法に関しては、肢別本に切り替えてから知識の定着が一歩進んだような実感がありました。これはパーフェクトで基礎を作っていたことが大きく、パーフェクトで得た知識を肢別本で整理・1元化するというイメージで行っていました。

科目毎の対策

民法(僕の得点:58点/75点)

 刑法、憲法と違って、配点が一番大きい+重いため、勉強量も相対的に一番多かった科目です。

 特に民法では、肢別本を愛用していました。理由は、民法は特に過去問の焼きまわし問題が多く、パーフェクトだと年度ごとに知識が散らばってしまい、コスパが悪いと思ったからです。肢別本だと、年度別で同じ出題があった場合、1問として処理されているため、演習回数を少なくするとともに、単元ごと&一問一答形式で記載されているため、できない問題を重点的に回すという観点から非常に優れていました。

 民法は条文がそのまま選択肢になっていることが多く(特に総則、親族相続の分野)、何度も出題されている条文は六法にマーカー、コメントを入れるなどして知識を一元化することに努めました。

刑法(僕の得点:40点/50点)

 なぜか伸びた科目です。刑法でも肢別本を愛用していましたが、民法と違って、パーフェクトもそれなりに併用しました。というのも、刑法では、学説対立、穴埋め、事案問題といった、一問一答形式の参考書では対策が難しい問題が配点も高く、必ず出題されるからです。そうした問題を除き、判例や条文をそのまま問うような問題(特に各論分野は焼きまわしが多い)については、肢別本を回すことで潰しがきくので、パーフェクトとうまく使い分けるのがコスパが良いのかなと思いました。

憲法(僕の得点:23点/50点)

 足きりギリギリで、今年一番死んだ科目です笑。僕だけでなく全体的に出来の悪かった年だったので救われましたが、通常であれば不合格フラグの立つ点数です。

 それゆえ、あまり参考にはならないという前提で話します。

 憲法に関しては、僕はとにかく統治分野が苦手だったので、肢別本で統治をやりつつ、人権の独特なひっかけはパーフェクトで対策するという手法をとっていました。

 統治は未だに意味わからん学説対立とか、面白くもない細かい知識が問われることがあって、全くモチベーションになりませんでしたね。人権は判例の細かい知識が問われますが、やはり論文の対策としても一役買ってくれるという思いで、ある程度のモチベを保ちつつ、人権と統治を7:3くらいの割合で勉強しました。

まとめ

いかがだったでしょうか。

大切なのは、客観的データから導かれる短答合格ラインと例年の合格最低点を把握して、今の自分にどのくらいの勉強が必要かということを常に意識すること、ある程度知識が身に着いたらそれらを一元化して、苦手箇所をとにかく回すということです。

次回は論文対策について紹介しようと思います!

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